妄想三原色の紹介という名の感想(一部ネタバレあり) 四月第二週 1〜7作目

妄想三原色四月二週目分からの作品を全て紹介をしていきます。

 

では一作目 「題名なし」 作者:あおさん ヒロイン:白石麻衣

 

お題発表からすぐ投稿された作品で中編と言いうより少し長い短編と言った方がわかりやすいです。セリフがないため少し取っつきにくいと感じがちですが扱っている内容は難しくなく、よくある設定でかつ分かりやすく書かれています。しかし勘違いしないでいただきたいのはよくあるからといってもう見飽きたような作品ではないということです。最後の二話でこの作品の重みやアラサーの主人公が感じているなぜあの時素直にならなかったんだというという激しい後悔がよくこめられています。あのようなオチにすることによって素直になりたかったという思いを短いながらに描けたのでしょう。ほんの十数分で思いついていなくてもテーマと設定の組み合わせが絶妙なのにそれに時間まで凄さが追加されているとなるとやはり底知れぬ才能を感じざるを得ません。

 

二作目 「良い酔い」 作者:ねこつさん ヒロイン:菅井友香

 

素直になれないアラサーの男女というテーマをそのまま簡略化して写したような作品です。作品としては間違っていないのですが想像を裏切るような作品が多い今回のテーマの中では少し埋れてしまっている感があります。別の言い方をすると正しすぎて正しくないみたいな感じです。でもこの短さにもっと内容を詰めるのは苦だと思うので難しいところですね。あと心情表現もあるとより入り込みやすいかと思いました。

 

三作目 「題名なし」 作者:もんもんさん ヒロイン:渡邉理佐

 

人に対してではなく時代の流れに対して素直になれない作品は珍しいです。このテーマでそっちに考えがいくのはさすが普通の妄ツイ師とは一味違う作品を妄ツイ師って感じがしますね。◯◯と理佐はどちらもまだ婚活よりも仕事が大事で、当然来ていた婚活にも興味がありません。そのことを分かりやすく二人とも隅で飲んでいると書いていて、基本的な描写の方法ですが基本ができてるっていいことだと感じてます。

そして二度目に会うシーンに話は移りますがこの二人をつなげたものは結婚に興味がない点として書かれていますが二人の中が深まり出した時、話していた内容は仕事ことです。ここはもんもんさんが意図的にそうしたかは不明ですが結婚に興味がないという点で盛り上がっていないのは仕事に対する価値観が同じなのでしょう

そして私の一押しのポイントがBARからのラーメンというところですね。ものすごいアラサー感を感じました。二人の仲が深まっていき、ここで一緒にラーメンを食べることによって飾らない二人の関係が合コンのために自分を飾り、頑張って恋人を得ようといている人と対照的でそこもいいですよね。あと個人的に数週間後に呼び方が渡邉さんから理佐にそして◯◯さんから◯◯に変わってるのもなんか好きでした。

アラサーでも好きという気持ちに正直にという趣旨のセリフで作品が終わります。一作品に二つの意味の素直が出てきていてもうずるいです...

 

四作目 「素直になれない」 作者:しょーやんさん ヒロイン:梅澤美波

 

話としてはオチの関係上、少しあおさんの作品に似てる気がしないでもありません。しかし似て非なるものです。まあ当然なのですが...

序盤は美波と幸せな日常が描かれます。しかし中盤あたりから少し違和感を感じるよになりオチへ。二度読みたくなるこの作品ですが少しずつ落し物のようにだされていくヒントがシンプルに上手いなって感じです。美波の死を素直に受け入れられないという部分はもんもんさんと同じでテーマの素直というところを他の方とは違う独自の形で出せていてすごいと思います。

『美波はもういないんだ』

美波が亡くなってしまってからの◯◯の苦悩がうかがえる重い言葉です。

 

五作目 「題名なし」 作者:桃太郎丸さん ヒロイン:岩本蓮加

 

内容としては好きなのですがやっぱり蓮加がヒロインとなるとアラサー設定に合わず少しマイナスポイントというのが自分の素直な感想です。ですが可愛い蓮加らしさは出ていたので可愛かったです

 

六作目 「題名なし」 作者:N  ヒロイン:西野七瀬

 

悲しいと一言で片づけられないほど随所にリアル感、悲しみや優しさなど感じ取れる部分があり想像してしまうため、たった六話とは思えない物語の厚みがあります。なんだろう言葉で説明出来ない良さがあるので読みましょう。読めば分かります

 

七作目 「素直になれたなら」 作者:キミマロ ヒロイン:西野七瀬

 

残業で疲れて立ち寄ったBAR。これでもうアラサー感が出てます。

そして出されたカクテルの味が苦味や甘み、酸味と表現されているところからそれぞれが苦味=残業、甘み=七瀬との再会、酸味=七瀬が自分の勤める会社の社長の奥さんだったことのような気がしました。そして七瀬がこのカクテルを考案した(七瀬から与えられた)ととりまた最後のお酒の味を思い出しながら生きて行くというところ読むとこの考えが現実味を帯びてくると思います。

数年後の◯◯もう一度BARに行きますがこの時七瀬のことを考えずに行く訳がありませんが実際、七瀬会うとまともに話せません。ここが逆に大人なのにまだ若さを残しているアラサー感がしました。子供の時の後悔と忘年会で素直になれなかった後悔この二重の重みや辛さも一生背負いながら生きて行くという言葉でよく表されていました。

 

まずはこれくらいで終わります。また後で残りもやりますのでまた...

 

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